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大切なロッドのガイド交換費用と修理の仕方をわかりやすく図解します!

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ロッドのガイドが故障すると釣りになりませんね。そのまま使い続けるとロッド本体を折ってしまう恐れもあります。今回はガイドを交換する際の手段と方法をわかりやすく解説したいと思います。まずは交換費用についてです。

目次

ガイド交換費用・料金の相場比較(ショップ修理)

一番はプロ(メーカー)に交換してもらうのが安心でしょう。その場合の交換費用や方法を比較してみます。

ガイド交換工賃比較(パーツ代別)

  SHIMANO DAIWA アブガルシア 釣具屋
シングルフット 1,650円 2,000円 3,500円*1 1,800円
ダブルフット 3,300円 4,000円 5,000円*1 2,500円

*1:ガイドパーツ込み。但しリサイクルガイド使用(未使用品)

*工賃には送料やパーツが含まれていないことが多いので注意してください。
*ガイドパーツ金額はサイズと種類でかなり差があります。一番安価なガイドで400円~高価なガイドで2,500円程度です。

上記を踏まえると概算でシングルフットフレームの場合2,500〜4,000円。ダブルフットフレームの場合5,000〜7,000円というところでしょうか。メーカーへ送る場合の送料が別だとプラス送料がかかります。その場合ロッドをしっかり固定して梱包する必要があり宅急便サイズで160にはなります、関東県内での送料で約2,000円かかります。一番問題なのか時間です。送ってから直って手元に戻るまで約2週間はかかります。

ガイド交換概算費用(平均)

  工賃 ガイドパーツ 送料 合計
シングルフット 2,000円 500円 2,000円*1 4,500円
ダブルフット 3,000円 2,000円 2,000円*1 7,000円

さあアングラーの皆さんどうしますか?時間とお金をかけて直すか、ロッドを壊れた継ぎ部分を買うか、ロッドを新調してしまうか…悩みますね。そこで今回のご提案です。ロッドガイドを自分でDIYしてみませんか?

自分でガイドを直してみよう!そのメリットとデメリットは?

直す場合にはメリットとデメリットがありますので最初にご説明しておきます。

  • 安価に直せる。材料はこだわらなけば数百円。あとはガイドパーツ代です。
    (今回私の材料費はエポキシ接着剤、エナメルうすめ液を100均でその他は既にあったものを使用しました。ガイドパーツはネットで8本セット413円(Amazon)ですので合計700円ぐらいです。)
  • 修理に出すのと比べると完成までの時間が早い。作業開始してエポキシ材を塗り重ねて乾燥するまで約5日間です。
  • オリジナルアレンジができる
  • 好きなガイドを選べる
  • ある程度やり直しがきく、慣れてくると意外と簡単にできます。
  • 大失敗(ロッドに傷など)したら使い物にならなくなる。DIY失敗後のメーカー修理は受けてもらえない場合がある
  • プロのような強度が出ない可能性がある。
  • 仕上がりが良くない(頑張り次第)

実際にDIYでガイドを交換してみよう

この記事では先程のデメリットをできるだけ防ぎながら交換する方法をご紹介します。手先があまり器用ではない方はじっくり読んでからチャレンジしてくださいね。

意外と簡単?

私も最初は色んなサイトや動画を見ました、でも動画や写真では細かな作業部分がよくわからないんです。そこで図にしてみました!これならご自分のロッドの状態と比べながら手順がわかると思います。特に【ワンポイント】部分に注意するとデメリットが減っていきます。

用意するもの

ロッドガイドを修理するために必要な材料

ガイド

ネットに安価なセット販売もあります。中国製が多いので信用できなければ釣具ショップでメーカー純正を取り寄せてもいいでしょう。1つだけ交換する場合は前後のガイドと同じものを選びましょう。気に入った新しいガイドを選ぶのも良いでしょう。

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エポキシ接着剤

100均でもあります。AとBの2種類のチューブを混ぜて使用するタイプです。

エナメルうすめ液

同じく100均で買えます。マニキュアコーナーにあります。

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グルーの芯

これも100均でありますね。1本あれば十分です。大きいガイドの場合はマスキングテープでもOKです。

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マスキングテープ

1cm幅のが50cmもあれば十分です。

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塗料皿

小さめでいいです。1つ。なければ小さな紙コップでもいいです。

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ラッピングスレッド(糸)

ネットでも買えますし、釣り具ショップでも買えます。小さめのガイドは0.8号以下のPEラインでもOK。大きめのガイドの場合はPE1.0号ぐらいでもOKです。長さは1mぐらい必要。飾り巻(ゴールドやシルバーなど)をする場合は30cm程度を用意します。

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糸ぬき用ライン

ナイロン1.0号以下のライン20cmぐらいです。糸ぬきはラッピングスレッドの巻き終わりにスレッドを巻いた中に納めるために使用します。できるだけ細いナイロンラインが良いです。エイトノットループ(8の字結び)で輪の大きさは2cmもあれば十分です。輪は先端を折って細長くしてください。

必要な道具

ロッドガイドを修理するために必要な工具
  • カッター
  • ドライヤー(ライターでもOK)
  • ラジオペンチ
  • フライ用のボビン又はクリップ
  • 筆(幅8mmぐらいの平筆、なければ丸筆をペンチでつぶして平筆にしましょう。)100均でもOKで1本あればいいです

ガイドを外してみよう!

ガイドを交換する手順を解説したイラスト1〜4

①ガイドを下向きにしてドライヤーかライターで少し炙る。炎が付かないぐらいで2秒ぐらい。(下向きの理由はエポキシ樹脂の中にガイドの足があるので火でロッドを傷つけないためです)

ガイドは必ず下向きです。ガイドの反対側は絶対NG!

②温めたエポキシ部分をカッターで薄くえんぴつを削るように削ぎます。

焦らないで少しずつ削いていきます。

③ガイドを上から見た図です。図のように白い部分を少しずつ削っていきましょう。削りづらい時はもう一度ドライヤーかライターで少しだけ温めてみましょう。

④エポキシ部分の中から糸が見えたら、カッターの先で糸を切って掘り出します。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト5〜8

⑤糸を引っ張るとエポキシ部分がパリパリ剥がれてほどけます。もしエポキシ部分が剥がれないようなら、ドライヤーで温めると取れます。この時は極力ライターは使わないで下さい。ラインが燃えてしまいます。

⑥糸が全て取れたらガイドを外します。無理にガイドを取らないでください。簡単に取れない場合はドライヤーで温めてみましょう。次にエポキシ部分の外側の両方にマスキングテープを貼って油性ペンでガイドの取り付け位置の中心に線を書いて下さい

この位置が取付時の場所になりますので正確・丁寧に行いましょう。

いよいよガイドの取り付けです!

エポキシが残っていると思いますのでエナメルうすめ液をティッシュに付けて拭いて下さい。この時もエポキシ部分を無理に剥がさず、取れなければドライヤーで温めて取りましょう。

ここを傷つけないで綺麗にできるかが失敗を無くす一番のポイントなのでじっくりゆっくり作業しましょう。

ガイド交換で一番難解で心が折れやすくDIYを断念するのが巻き始めです。写真では解りずらいので同じく図解中心で解説していきます。先にガイドの仮止めをする人もいますが、この仮止めしたガイドがスレッドを巻くときに邪魔なので先に巻き始めます。

⑦まず巻き始めが肝心です。先程取外し①時のマスキングテープは必ず巻いてください。用意したラッピングスレッド(*PEラインでも可)の片方をクリップで挟みます(できるだけ外れないように)*フライ用のボビンがあれば最高です。今回はわかりやすく動かした(巻いた)スレッドを赤で表していきます。図のようにスレッドを掛けます。

⑧もう一度スレッドを一周します。軽く上を指で押さえながら糸に遊びが無いように巻きましょう。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト9〜12

⑨2回巻きます。軽く上を指で押さえながら巻きましょう。

⑩2周巻いたスレッドをマスキングテープ側に寄せます。

⑪巻いていたスレッドをクリップのスレッドの右側に、クリップを左にします。要はクリップ付スレッドを下に巻き込みます。

⑫クリップ付スレッドが下になるように1周巻きます。

ここが一番の難所です。失敗しても何度もできるので慌てずゆっくり行いましょう。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト13〜16

⑬2周巻きます。*3周巻いてもいいです。

⑭2周巻いたスレッドをマスキングテープ側に寄せます。

この時クリップを外します。

⑮そしてクリップが付いていたスレッドを少し水平にしたまま、3周ほどきつめに巻きます。

⑯巻いていたスレッドにクリップを付けて、下に巻き込んだスレッドをできるだけ根元から切ります。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト17〜20

⑰巻いていたスレッドをマスキングテープで仮止めします。ここままで出来れば巻き始めは完成です。

ここが肝心なので、もし綺麗にできていない時は何度かやり直しましょう

ガイド金具を仮付けします。作業に入る前に『糸ぬき用ライン』を用意します。エイトノットループ(8の字結び)です。

⑱まず用意したグルーを温めます。ガイドの接地面に温めたグルーを付けます。できるだけ全体に付けます。もしガイド側にたくさんついた場合はラジオペンチでガイドフレーム(リングはNG)を挟みながらライターで炙ると柔らかくなるので調節しましょう。大きいガイドの場合はグルーよりもマスキングテープで仮固定する方法もいいでしょう。

ガイドの足に接着剤を付ける人もいますが絶対にやめましょう。ガイドに力が掛かった時にロッドが折れやすくなります。仮固定できれば極薄の両面テープでもいいです。

⑲マスキングテープにペンで書いた線に対して真っ直ぐ付けます。もし曲がって付いた場合はまた温めて付け直しましょう。そして他のガイドと一直線になるように調整してください。グルーは取れやすいので慎重に。

⑳スレッドをガイドの部分へ巻いていきます。結構きつめに巻いていってください。ガイドの足部分のぐらいまで巻いたらガイドが曲がっていないか確認してください。まだ微調整可能です。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト21〜24

㉑残り5~7巻ぐらいというところで、『糸ぬき用ライン』エイトノットループ(8の字結び)を図のように重ねます。場所はガイドの上でなくてもOKです。巻き終えた後に『糸ぬき用ライン』の頭が出るようにしてください。

㉒『糸ぬき用ライン』ごと巻いていきます。最後の残り1巻き(ガイドのフレーム付近まで)で止めます。

きちんと綺麗に負けているか?スレッドに緩みはないか?確認してください。

㉓そして最後の1巻の先端を『糸ぬき用ライン』の輪に通します。(スレッドが長く余っている様でしたら5cmぐらい残してカットしましょう。)

㉔これを失敗するともう一度巻きなおしが必要です。スレッドを輪に通したら『糸ぬき用ライン』を通した部分を軽く押さえながら『糸ぬき用ライン』を引き抜きます。綺麗にラッピングスレッドの下に入りましたか?もし綺麗に収まらなければ『糸ぬき用ライン』で抜いたラインを戻して修正する部分まで解いてやり直しましょう。ここでの妥協は不要です、しっかりやりましょう。

もし飾り糸を入れたい場合はこのタイミングで①~③+⑮~⑰でシルバーのスレッドなどを上に巻けばOKです。

ガイドを交換する手順を解説したイラスト24〜25

㉕余ったスレッドを切ってラッピングスレッド巻きは終了です。この時巻いたラインが凸凹している様ならボールペンの横でなぞると平らになります。

㉖さていよいよ仕上げです。エポキシ接着剤とエナメルうすめ液と塗料皿(小さな紙コップでもOK)と平筆を用意してください。まずエポキシ接着剤のAとBを同じ量を少しずつ塗料皿に入れます。
何度も重ね塗りをします。まず1回目です(目安は小さなガイドの場合はフリスク1つぐらいの量をAとB、大きなガイドでフリスク3つぐらいの量をAとB)次にエナメルうすめ液を入れます。付属のスポイトでAとBを足した同じぐらいの量を入れます。比率はA:B:うすめ液、1:1:2です。これをエポキシ接着剤の付属ヘラでよく混ぜます。混ぜたら用意した平筆の先を浸して塗っていきます。1回目はラッピングスレッドを固定するのが目的です。糸に染み込ませるように塗っていきます。全体に染み込んだようであれば1回目終了です。一晩乾かしましょう。塗料皿は毎回うすめ液やシンナーで綺麗にしましょう。

2回目です。今度は比率はA:B:うすめ液、1:1:1です。同じ量を混ぜて塗ります。ロッドを回しながら塗るとムラが無く塗れます。まだ凸凹があってOKです。

できれば一晩乾かしてください。ロッドは横でガイドは上向きです。絶対に垂れる量は塗らないでください。

3回目です。比率はA:B:うすめ液、1:1:1です。同じ量を混ぜて塗ります。ロッドを回しながら塗るとムラが無く塗れます。徐々に凸凹が無くなり綺麗になっていると思います。まだ凸凹があるようでしたらもう一度塗ります。同じく乾かします。

4回目(仕上げ)比率はA:B:うすめ液、1:1:2です。これをロッドを回しながら塗るとかなり表面に艶が出ます。二晩置いて乾いたら完成です。お疲れ様でした!

ガイド交換後のテストの仕方

ガイドの交換が上手く行ったかを確認

完成したら釣行前にテストを必ず行ってください。釣りに行ってフィールドでいきなり壊れたらショックですからね。テスト方法は簡単です。ロッドをつないでリールをセットしガイドにラインを通します。できれば伸びないPEラインがいいです。リールのベールを倒してラインを引っ張ります。このロッドで自分が一番大物を釣った時のイメージして引っ張って曲げましょう。

1度曲げたら戻します。今度は逆向きで引っ張ります。キャストしたときのイメージです。ガイドが外側に向くように曲げます。これを10回程度行ってください。その後ガイドのエポキシ部分にひび割れなどが無ければテスト終了です。あとは実釣あるのみです。

ガイド交換後に実釣へ行く時

ガイド交換してテストも終わりいよいよ実釣!という時にも万全の体制で臨みましょう。スペアロッドを持っていく。車の近くのポイントで実釣テストします。その際キャストするルアーのフックは外しておきます。(理由は魚が掛かって最悪の事態を防ぐため)フックなしのキャストします。問題なければ何度かシャクリを入れましょう。3回程度繰り返して問題なければいよいよデビューです。お好きなルアーで釣りをお楽しみください。

万が一の時は無理をせずスペアロッドで釣りをします。ガイド交換失敗の場合はご自宅に帰ってゆっくりやり直しましょう。一度自分で直すと2回目以降は精度とスピードが上がるはずです。根気よく頑張りましょう。

ガイドを交換するメリットとは?

今回はガイド交換について費用感と交換方法をご説明しました。「自分でやってみよう!」と思った方、「やっぱりフィッシングショップにお願いして修理しよう」と思った方、「もう壊れたのは捨ててニューロッドを買うと決めた方」もいらっしゃると思います。でもどうせ捨てるならやってみるという手もありますよね。ガイド交換をしてみた方はよりロッドを知ることが出来ます。そして万が一の時に直せる!という自信も持てます。

そしてもう一つメリットがあります。もし古くなったロッドをお持ちのアングラーのみなさん。まだまだ使えるけどロッドが古いと感じる部分はどこでしょう?意外とガイド部分ではないでしょうか?最新のはガイドの形状が違うから見た目が格好悪いって思っている方。多くありませんか?そんな古いロッドをお持ちのあなた!是非お気に入りの新型ガイドを購入してガイド交換してみませんか?ご自分でDIYするとオリジナル感も出るし、何と言っても愛着がわきます。是非お試しください。

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