タックルセッティングの重要性

湖でのトラウトフィッシングでは様々なジャンルのルアーを使用します。ルアーの持っている力を最大限に発揮する為にはそれに適したタックルを準備することが非常に重要です。ルアーにはそれぞれに適したロッドの硬さやラインの種類や太さなどがあり、その特性を踏まえてタックルセッティングを出すことでより魚への距離が縮まります。
またルアーの種類だけでなく、魚の状況や釣りをするシチュエーションごとにも適したタックルセッティングというものがあります。例えば遠浅のエリアで半径50m以内での魚をスプーンで釣りたい場合にはナイロンラインに張りのあるロッド、同エリアをミノーで攻めたい場合にはハイギアのリールにPEライン、といった具合に向いているセッティングが違います。タックルセッティングの基準をどこに置いて詰めるかでも大きく基準が変わってきます。今回は湖でのトラウトフィッシングにおけるタックルセッティングについてご紹介します。

湖でのトラウトフィッシングで使用するルアーとは

スプーン
トラウトルアーの王道といえばスプーンでしょう。沈めることで表層~ボトムまで、幅広くサーチできる優秀なルアーです。スプ<ーンと言うと巻く速度で泳ぎが変わってしまったり、レンジキープが難しいといったイメージがありますが決してそんなことはありません。エリアトラウトで使用するような超軽量スプーンのようなシビアな釣りではないので、あまり深く考えすぎないようにしましょう。
使用するスプーンの重さは使うポイントの水深によって変わりますが、4~10gぐらいを基準に考えてより水深が深い湖では25gくらいまでで考えましょう。重すぎるスプーンは根掛かりの原因になってしまいますので、できる限り軽めのスプーンを使うことをおすすめします。遠浅のエリアでは4~7g前後、沖が少し深いエリアや遠投したい場合には7~10g前後、ドン深エリアのボトムを探りたい場合には15~25g前後を使用するのがおすすめです。
ミノー
広範囲をテンポよく探りたいのであればミノーの出番です。またブラウントラウトやイワナを狙いたい時にもミノーが活躍してくれます。使うサイズは70~130㎜辺りまでが使用頻度が高く、最も使いやすいのは85~95㎜辺りのフローティングタイプです。サイズの選び方はその時のベイトのサイズに合わせるのが基本です。ウェーディングしている場合には泳いでいるワカサギなどを見ることができるので参考にしましょう。
ミノーの使い方ではトゥイッチングやグリグリメソッド、タダ巻きなど状況にあった使い方をしましょう。ボートから狙う場合にはトゥイッチングがやりやすいですし、ウェーディングの場合にはグリグリメソッドがおすすめです。ミノーにはSR(シャローランナー)やDR(ディープランナー)などのタイプがあり、狙う深さをルアーのタイプを変えて使用しますが、基本的にはSRタイプのフローティングミノーで表層を狙うスタイルで良いと思います。ミノーでスイッチを入れて魚を表層までおびき寄せましょう。
メタルジグ
急深のエリアや水深のある湖、遠投してボトムから広範囲を狙いたい場合にはメタルジグが有効です。レイクショアジギングは特に深い湖のカケアガリを効率よく探るのにぴったりな釣りです。カケアガリには岩などが点在していることが多く、そこに居着いている高活性のブラウントラウトやイワナ類のような定位型の魚を狙い撃てます。重さは15~25gくらいが使いやすいと思います。
またメタルジグは飛距離によるメリットが非常に大きなルアーでもあります。使用する重さはスプーンなどより重いものが多くなりますが、タングステン製のメタルジグであればシルエットもコンパクトになり、より魚にプレッシャーを与えずにアプローチすることができます。ボトムトレースだけでなく、トゥイッチングで表層~中層を狙うような釣り方も可能です。
ジグミノー
シルエット、動き共に非常にベイトライクなのがジグミノーです。特にベイトのサイズが小さい時には無類の強さを見せてくれる時があります。シャローエリアでボイルなどが発生している時に投げたいルアーです。しかしアクションがナチュラルが故に控えめなので、遠くの魚を引き寄せるパワーには欠けます。
ジグミノーを使用するタイミングはすでにスイッチの入っている魚を狙う時や、目の前に魚がいるのに他のルアーでは口を使わない時です。使い方は基本的にはタダ巻きが有効ですが、ベイトが多い場合などはトゥイッチなどを時折入れて魚にアピールすると良いでしょう。
シチュエーション別おすすめルアーとタックルセッティング

急深エリアで沖を回遊するトラウトを狙う場合
ウェーディングで狙う場合にはこのケースが1番多いのではないでしょうか?急深のエリアの沖の回遊魚を狙う場合にはルアーの選択肢はいくつかあります。まずは7~10gと重めのスプーンで狙う方法です。回遊魚は表層やブレイク沿いを回遊するので、キャストして上目を狙うイメージが良いでしょう。下手に沈めすぎると根掛かりなどの危険性もアップします。魚は常に回遊しているわけではないのでタイミング次第で釣果は変わりますが、群れが大きいと大釣りできることもよくあります。スプーンで遠投する場合には細めのPEタックルがおすすめです。おすすめのスプーンはダイワ クルセイダー激アツです。
次にミノーで狙う場合です。インジェクションのミノーの場合固定重心のものはあまり飛距離が出ませんが、重心移動のものは飛距離が出るものが多く遠くの魚も狙い撃てます。この場合PEラインは0.8号、ロッドは長めのものが良いでしょう。グリグリメソッドなどでミノーをダートさせて誘うイメージですが、タダ巻きが有効なケースもよくあります。色々と試してその時々に合ったアクションで攻めましょう。おすすめのミノーはスミス チェリーブラッドSR90です。
魚のスピードが速い場合
魚のスピードが速い場合にはPEラインでは弾いてしまうこともあるので、ショックの吸収力があるナイロンラインでスプーンを使用するのがおすすめで<す。また遠浅のエリアでスローな展開の釣りがしたい場合にもナイロンラインを使用するのが向いています。ナイロンラインはライン自体に伸びがある為、PEラインなどと比べてフッキングが甘くなってしまうことがあります。その為張りのあるロッドが不可欠で、魚が掛かったらしっかりとフッキングしましょう。定期放流の多い湖の場合、このナイロンセッティングがハマることがよくあります。おすすめのスプーンはスミス ピュアシェルです。
シャローエリアをテンポ良く探りたい場合
シャローエリアで活性の高い魚をテンポ良く探りたい場合にはミノーがおすすめです。高活性の魚がいれば答えがすぐに帰ってきますので、最も効率の良い釣り方と言えるでしょう。トゥイッチングやグリグリメソッドでブラウントラウトやイワナなどの色物系を、タダ巻きではレインボートラウトやヒメマスなども狙うことのできる釣り方です。
この場合は時期によっては大型がヒットするケースもよくあるので、タックルは強めのPE0.8~1号にリーダー10lb、ロッドは8ft台のMHクラスのパワータックルで臨みましょう。リールは速い展開に対応できるハイギアがおすすめです。逃げ惑うベイトを演出して魚の食性を刺激しましょう。おすすめのミノーはスミス パニッシュ85Fです。
弱ったワカサギを捕食しにきたトラウトを狙う
産卵が終わって弱ったワカサギを捕食しているトラウトを狙うにはトップウォータールアーの「ホットケメソッド」が有効です。やり方はトラウトがワカサギを捕食しているラインにルアーをキャストし、余分なラインスラッグを回収してそのまま放置します。この際にルアーが変に動かないようにすることが重要です。少しでもおかしな動きをするとトラウトは警戒して口を使いません。放置して反応がなければ少しピクピクと動かしてまた放置し、バイトがなければ回収して再度キャストします。
この場合にはほとんど止まっているルアーにアタックする魚をフッキングさせる為、PEラインに強めのタックルが必要不可欠です。PE0.8~1号にリーダー10lbくらい、ロッドは遠投が必要な為8ft半ばくらいにパワーはMH以上は欲しいところです。ルアーはブラックバス用のI字系などが使えます。おすすめのルアーはOSP ベントミノー86Fです。
急深エリアでブレイクについた魚を狙う場合
中禅寺湖のような手前から急深のエリアではブレイクラインについている魚を狙うことになります。この場合にはメタルジグでレイクショアジギングで狙うことになります。この釣りは根掛かりしやすくなってしまうので、極力ボトムからルアーを離さずにボトムタッチを最低限にする必要があります。また飛距離を意識して重いジグを使いがちですが、あまり重すぎると根掛かりが多発してしまうので、できる限り軽いジグを使用するようにしましょう。
レイクショアジギングではルアーの操作でも負荷がかかりやすく、ヒットした後にパワーファイトが必要な為強めのタックルが必須です。ロッドは8ft半ば~9ft、MH~HクラスのパワーにPE1号クラス、リールは3000番のハイギアが良いでしょう。おすすめのルアーはシーレーベル リーズです。
ボートからレイクジギングで狙う場合
初夏になり湖の水温が上がると、トラウト達はベイトフィッシュについて深場へと移動します。そうなってくるとボートからのレイクジギングのシーズン到来です。海でのスーパーライトジギングのタックルでできるので近年じわじわと人気の釣りです。使うジグは水深×1.5~2くらいの重さで、芦ノ湖のような浅い湖では20~40gくらいを使用します。タダ巻きやワンピッチジャークなど色々な誘い方で狙います。
タックルは6ft台のSLJ用ロッドにPE0.6~0.8号、リールは3000番のノーマルギアがおすすめです。速いワンピッチジャークよりはタダ巻きやスローピッチジャークなどの方が反応が良いことが多いです。おすすめのルアーはダイワ TGベイトトラウトチューンです。
ルアー別おすすめタックルセッティング

スプーン
- ロッド:7ft後半~8ftくらい、PEラインではML、ナイロンラインではMクラス、バットパワーのあるファーストテーパー
- リール:2500番クラスのノーマルギア、巻き取り長70㎝前半
- ライン:ナイロン、フロロライン4~6lb、PEライン0.6~0.8号にリーダー6~8lbくらい
ミノー
- ロッド:7ft後半~8ft半ばくらい、M~MHクラス、全体的に張りがあり魚がかかれば曲がるファーストテーパー
- リール:2500~3000番クラスのノーマルギアかハイギア、巻き取り長80㎝台
- ライン:トゥイッチングではフロロ6lbくらい、グリグリメソッドではPEライン0.8~1号にリーダー8~10lbくらい
メタルジグ
- ロッド:8ft前半~9ftくらい、MH~Hクラス、張りのあるファーストテーパー
- リール:3000番クラスのハイギア、巻き取り長80㎝半ば~後半
- ライン:PEライン0.8~1号にリーダー10~12lbくらい
ジグミノー
- ロッド:7ft後半~8ftくらい、ML~Mクラス、曲がるレギュラーテーパー
- リール:2500番クラスのノーマルギア、巻き取り長70㎝前半
- ライン:PEライン0.6=0.8号、リーダーは6~8lbくらい
様々なルアーを駆使してトラウトたちに近づこう

今回は湖でのトラウトルアーフィッシングにおけるタックルセッティングについてご紹介しました。ルアーや使い方、シチュエーションが違えば、適したタックルの条件は大きく変わってきます。魚とのコンタクトの機会が決して多くない釣りですので、自分なりのタックルセッティングをしっかり煮詰めて常にベストな状態で釣りに臨みましょう。そうすれば必ずあなたにとってのメモリアルフィッシュに出会えると思います。
