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フカセ釣りに最適な道糸の号数とは? 仕掛けは細ければ細いほどいいのか?

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フカセ釣り用ナイロンライン。価格と性能はほぼ比例すると言っても過言ではない。

釣りを趣味とする人種はとかく凝り性で、竿やリール、ウェアなどに強いこだわりを持ち、お金をかけている人が多いです。しかし、本当にこだわるべきは、実際に魚とコンタクトする部分、すなわち針であり、ハリスであり、道糸であるということは、意外な盲点となっているかもしれません。

フカセ釣り、特に「磯上物(うわもの)」と呼ばれる、グレ釣りに代表される、コマセを撒き、魚を中層付近へ浮かせて釣るウキフカセ釣りの世界では、魚のパワーを竿の曲がりで受け止めながらいなすため、仕掛けは強度よりも「撒き餌と刺し餌の同期」を重視します。仕掛けを限界まで細くして、水の抵抗を軽減し、自然にエサが沈みながら流れて行くのと同じスピードで、針が付いた刺し餌を漂わせることを最重要視します。

そうしたフカセ釣りの理論が、トーナメンターと呼ばれる競技釣り師を中心に進化し、現在でも毎日のようにブラッシュアップされています。昨日まで最新理論で正解だと思っていた理論が明日は陳腐化してしまう・・・極端に言うとこんな感じで、新しい理論と、それを実践するためのメソッド、ツールが日々生まれています。

そんな目まぐるしく代謝が起こっているフカセ釣りの世界で、道糸の進化は特に目覚ましく、様々な特性を持ったラインが星の数ほど発売されています。今回は、そんなフカセ釣り用道糸について考えてみたいと思います。

目次

フカセ釣り用道糸の種類

ダイヤフィッシング・フロストン ルージュ 2号

フカセ釣り用の道糸の材質と言えば、古くからナイロンが定番です。しかし、ここ10年前後で、釣り糸の原糸製造技術、コーティング技術が加速度的に進化しており、細くて強く、耐久性の高い製品が続々と発売されています。

また、これまでになかった新しい素材、或いは複数素材のハイブリッド品も登場しています。ここでは、フカセ釣りに使われる道糸の種類について説明して行きます。

ナイロンライン

GOSEN リミテーション磯 CXフロート 2.5号

フカセ釣りの道糸として最も一般的なナイロンラインです。我々の少年時代、昭和50年代は釣り用の道糸と言えばナイロン糸しか選択肢がなかったと思います。当時のナイロンラインは、安価だけど吸水して伸びやすく、紫外線に弱く耐久性もそれなりという製品がほとんどでした。

ナイロン樹脂は、1935年、アメリカの化学メーカー、デュポン社が合成に成功し、1940年代にフィッシング用ラインとして利用され始めました。製糸の方法は、樹脂ペレットを加熱溶融し、微細な穴の開いたノズルから溶けたナイロン樹脂が押し出されると、冷えて固まります。これをボビンに巻き取って原糸にします。その後、染色工程やコーティング行程などの後加工を経て商品化されます。

「ナイロン」とひとことで言っても、重合プロセスの違いなどで、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66など、性質の異なる様々なポリアミドがあります。釣り用のラインとして汎用的に使われているのはナイロン6もしくはナイロン66が主流のようです。ナイロンラインは、しなやかで締結強度が強く、適度な伸びがあり、ショックにも強いという特徴があり、ビギナーからトーナメンターまで、幅広く使われている、非常に使いやすい道糸です。

また、ナイロンラインは比重を調節しやすいという特徴もあり、ナイロンより比重が重い添加剤を混ぜたり、糸を紡ぎ出す「紡糸」の工程で中空構造にしたりして、水に浮く軽いライン(フローティングライン)や沈むライン(シンキングライン)、その中間の性状を示すサスペンドラインなど、作り分けることが可能です。

ただし、ナイロンラインは吸水するという弱点があり、吸水してしまうとラインが膨潤し、強度が著しく低下します。この弱点を解消するために、ラインの表面に撥水コーティングを施して水切れ良くしたり、製糸の際に樹脂に特殊な添加剤を混ぜたり、原糸に吸水性が低く、温度変化に強いナイロン11やナイロン12を使ったりして欠点を補った製品がたくさん販売されています。

私は現在、フカセ釣り用の道糸は100%ナイロンラインを使っています。フローティングラインをメインで使っていますが、風が強いときなどは状況に応じてセミサスペンドラインを使っています。

PEライン

8本編みのPEライン

超高分子ポリエチレンを繊維化した原糸を、4本や8本紡いで作るPEラインは、ルアーフィッシングではすっかり主役の座を不動のものにしていますが、フカセ釣りのシーンでもPEラインを使うアングラーが増えています。

PEラインの最大の特徴は、他のラインと比較して同じ強度を得る場合、「圧倒的にラインを細くできる」ことです。この、「圧倒的な細さ」は、フカセ釣りで重要な要素である「コマセと刺し餌の同期」のやりやすさに寄与します。コマセの沈み方と刺し餌の沈み方が異なると、魚が違和感を抱き、刺し餌を見切ってしまうということが言われています。これを限りなく自然に(コマセ中のオキアミと同じスピード、同じ挙動で)ターゲットのいるポイントまで沈ませて、コマセと刺し餌の同期を図るために、細く、水の抵抗を受けにくく、吸水せず、引張強度が強いPEラインは向いています。また、ほとんど伸びないため、感度が高いというメリットもあります。

ただし、PEラインにも致命的な弱点があります。滑りやすく結束強度が低いことと、摩擦強度が著しく低いことです。そのため、ジギングと同じようにフカセ釣り用でもショックリーダーを結ぶ必要があります。そのショックリーダーは、根ズレを防ぐ意味で必要なものであり、強くアワセた際のショックによるアワセ切れは、細くて柔らかい磯竿が衝撃を吸収してくれますのであまり気にする必要はないでしょう。

私はシロギス釣りやカレイ釣りなど、25号~30号のシンカーをつけてフルキャストする釣りの場合は、メインラインとして8ブレードのPE2号を200m程度巻いて、先端にビミニツイストでダブルラインを作り、ナイロンテーパーライン4号→12号を結んで補強しています。

どちらかというと沖磯など、足元付近から一気に水深がある場所で威力を発揮します。地磯など、ハエ根やシモリ根が発達しているような場所では根ズレの危険性が高くおすすめできません。

フロロカーボンライン

クレハ フロロマイスター(フロロカーボンライン)

フロロカーボンラインは、ポリフッ化ビニリデンという、熱可塑性(ねつかそせい:熱かけると軟化し、冷えると固まる性質)フッ素重合体のひとつで、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐候性、引張強度、自己消火性など、様々な特性に優れているため、工業用エンジニアリングプラスチックとして様々な用途で使われています。

釣り糸としては、比重が高いため沈みやすい特性があり、吸水性が低く、耐摩耗性、耐衝撃性に優れているため、道糸というよりハリスやショックリーダーとしての用途が多いです。

穴釣りを楽しむ場合は、根ズレに強いフロロカーボンラインの3号(12lb)をスプールに巻いて乗り込みます。

フカセ釣りのシーンでは、近年理論が確立してきた「全層沈め釣り・ロングハリス仕掛け」に使われるケースが増えてきました。ロングハリス仕掛けとは、ウキ止めを使わない全層釣りで、ハリスをウキ下よりも長く、10m程度とり、ガン玉を打つことなく、高比重のフロロカーボンハリスの自重で自然に仕掛けを沈め、なじみをよくするための仕掛けです。

ハイブリッドライン

デュエル パワーフカセ カーボナイロン

写真の「DUEL HARDCORE パワーフカセ」は、「カーボナイロン」と称して、フロロカーボンとナイロンのいいとこどりのハイブリッドラインを謳っています。とはいえ、ポリフッ化ビニリデン(フロロカーボン)とポリアミド(ナイロン)のポリマーを重合反応させ、化学的な構造を変えて別の特性を持つ樹脂を作製(ポリマーアロイ)したというようなものではなく、ナイロン樹脂に、フロロカーボン樹脂を特殊コーティングしたものと推測されます。これにより、ナイロンのしなやかさとフロロカーボンの耐摩耗性、引張強度、低伸度、非吸水性といった利点を併せ持ったラインであると言えます。

ちなみに、私はこのラインの硬い風合いが馴染めず、自分のメインラインにはなりませんでした。しかし、こうした従来の素材に異種材料を合わせ、特定の機能を付与した高性能ラインは今後どんどん増えて行くものと思われます。

フカセ釣りに最適な道糸の号数とは?

さて、ここからは、私のメインフィールドである、地磯でのフカセ釣り(磯上物釣り)における道糸の号数選びについて考えていきたいと思います。フカセ釣りの道糸のトレンドについてはここ10年程度で劇的に変化しています。

フカセ用ラインのトレンドはどんどん細くなっている?

東レ・銀鱗 スーパーストロング セミサスペンドタイプ 2号

私が釣りを始めたのは小学3年生(昭和52年頃)なのですが、当時は「道糸とハリスの号数は2段階差をつけるのが一般的」と言われていました。すなわち、1号のハリスを使うのであれば道糸は3号程度、2号のハリスを使うのであれば道糸は4号程度を使えと、子供向けの釣り指南本にはことごとくそう書いてありました。

これは、今考えると「高切れ」を防止するためのアドバイスだったのかなと思います。すなわち、子供はすぐに根掛かりさせてしまうので、被害を最小限に留めるため、道糸を太く、ハリスを極端に細くしなさいと教えていたのかもしれません。

今は全く違いますね。竿の進化、リールの進化、道糸の進化、ハリスの進化、ノット(結び方)の進化など、ありとあらゆるものが、昭和の古き良き時代の牧歌的な釣りとは異なっています。

現在は、テレビでも、ネットでも、著名なプロアングラーの動画をいつでも見ることができます。私も気に入っているフカセ師がいて、動画のチェックに余念がないのですが、その人に限らず、フカセ師の仕掛けをチェックすると、フカセ釣りで道糸ナイロン3号なんて使っている人はひとりもいません。2.5号を使っている人もほとんど見ません。

沖磯で40cm超えの口太メジナを狙うような場合でも道糸はナイロン1.75号~1.85号程度、50cm級の尾長メジナ狙いの場合でも2号が中心で、2.5号を使う人は稀です。クロダイ釣りに至ってはナイロン1.5号~2号程度で50cm級をあげています。

フカセ釣りの理論として、「コマセと刺し餌の同期」が確立して以降、フリーで海中に撒かれたコマセの中に含まれるオキアミと、ハリスと針につけられた刺し餌のオキアミが同じスピード、同じ挙動で沈んで行くことが正しいとされています。そのため、刺し餌にかかる抵抗を限界まで抑制する必要があり、道糸やハリスがどんどん細くなって行きました。フカセ釣り用の磯竿が非常に柔らかく、衝撃を十分吸収してくれるようになっていることと、リールのドラグ性能の向上も相俟って、根ズレなどでラインの表面に傷さえ入れなければ、かなりの大物まで極細ラインであげることができます(その代わり、ランディングネットは必須です)。

沖磯など、足元直下から水深があり、シモリ根やハエ根などが少なく、根ズレのリスクが低い場所であれば、道糸もハリスを相当細いものにしても十分闘えるでしょう。道糸1.5号、ハリス1.2号などでも40cm程度の口太メジナやクロダイなら問題なく取り込みができるはずです。

しかし、地磯ではなかなか根ズレを100%防ぎながらの立ち回りは難しいため、もう一段階強い道糸、ハリスが必要かもしれません。私は基本的に、道糸は2号、ハリスは1.2号、1.5号、1.7号、2号(2号ハリスはよほどのことがない限り使いません)を使い分けています。

道糸は細ければ細い程よいのか?

ナイロンラインの超ロングセラー、東レ・銀鱗

魚の生態や行動に関する研究が進み、魚種にもよりますが、魚は水中で糸を認識すると言われています。イカやタコなどは、人間の3歳児くらいの知能があるとも言われています。そのため、道糸やハリスをどんどん細くして、魚に違和感を抱かせないように仕掛けづくりするのがトレンドとなっています。道糸の製造技術の進化の恩恵で、10年前と同じ号数の製品であっても、引張強度や紫外線耐性、吸水耐性が格段に向上していることもあり、昔のHow to本で喧伝されていた号数は必要なくなっていることは事実です。

極細の仕掛けで大物を仕留めるのは、フカセ釣りの醍醐味のひとつではあります。しかし、極細仕掛けを自在に操るには、大アワセした際に道糸にかかる瞬間的な大きな力をいなす竿さばきのテクニックと、美しい円弧を描きながら曲がって、仕掛けにかかる力を瞬時に吸収してくれる竿、そして根ズレを起こしにくいポイントの3つが揃っていることが必要です。すなわち、釣りの上級者が、根ズレの懸念が少ない沖磯などで、ハイエンドクラスの磯竿を使うというなら、心の赴くがままに細いタックルで挑めばよいでしょう。道糸1.3号、ハリス1.5号など、道糸とハリスの号数が逆転することも最近は珍しくなくなってきました。

しかし、ティップの先径が1mm未満の磯竿ではなく、万能振出竿やサビキロッドなど、ティップが太く、全体的に張りがある竿を使うと、たちまちアワセ切れが多発してしまうでしょう。トーナメント出場など、制限時間がある競技釣りに挑む場合は、仕掛けの海中でのなじみの良さと、手返しの良さを最優先にするため、超極細の仕掛けを使いますが、特に地磯フカセ釣りの経験の浅いアングラーなどは、まずは高切れを極力抑えられるよう、しっかりした号数の道糸を使い、根ズレを回避できる仕掛けのコントロール性や、アワセ時など、瞬間的にかかる大きな力をいなせるロッドワークができるようになるにつれて、徐々に細い仕掛けにチャレンジして行けばよいと思います。

いの一番は、「フカセ釣りの専用ロッド」を使うことです。これが最低条件といっても過言ではありません。代用ロッドでは極細仕掛けは全く使えないと思ってください(高切れ地獄に見舞われます)。ロッドの号数や調子はターゲットによって使い分けましょう。基本、グレ竿なら先調子、チヌ竿なら胴調子です。

はじめは道糸はナイロン3号程度でもいいかも知れません。正直、道糸が3号だとかなり着水後の仕掛けのなじみは悪くなります。遊動ウキ仕掛けの糸落ちも遅くなりますし、潮の流れに影響を受け、仕掛けが流されてしまうリスクも大きくなりますが、なじみが悪くて釣りづらいときはハリスにジンタンを1~2個打って強制的に仕掛けが馴染むように工夫しましょう(重くし過ぎるとコマセとの同期ができなくなり、魚に見切られるので注意)。

慣れてくるにつれて、道糸を3号から2.5号→2号→1.85号、1.75号、1.5号と、徐々に落としていけばよいでしょう。細くするにつれ、仕掛けのなじみが良くなっていくことを実感するでしょう(風の影響などで、陸上での仕掛けのコントロールは逆に難しくなりますが、慣れるしかありません)。

しかし、過ぎたるは及ばざるが如し。正直、フカセ釣りで道糸は1.5号が限界でしょうかね。プロアングラーの方々は1.3号、1.2号、1号まで号数を落とす方もいらっしゃいますが、我々はそこまでする必要はないでしょう。私は普段は2号を、根が厳しい場所でやる場合は2.5号を、堤防など、根ズレのリスクが低い場所で1.75号を使うといった感じです。

極細仕掛けでのファイトはスリリングで楽しい!

45cmの乗っ込みクロダイ。グレ針5号、1.5号ハリスでキャッチ。

いかがでしたでしょうか?ショアジギングなどと比べると、磯フカセ釣りは信じられないほど繊細な仕掛けを使います。それもこれも、フカセ専用竿という、他の釣りではヘラブナ釣りで使うヘラ竿くらいしかないのではというほどの柔らかい竿を使うことが理由です。

抵抗を受けたら竿が弧を描き大きく曲がることで力を受け止め、ラインブレイクを回避するという特殊な方法で行う釣りであり、想定外の大物がたくさんかかり、ロッドが大きく曲がって踏ん張ってもラインを切られるというようなケースを除き、道糸を太くして機械強度を上げるという選択肢はほとんど存在しないのがフカセ釣りの特徴です。この写真のクロダイも乗っ込みのでっぷり太った抱卵個体で、45cm、1.48kgありました。これは道糸ナイロン2号、ハリスはフロロカーボンの1.5号で上げました。さすがにぶっこ抜きは厳しいので、ランディングネットは必須ですが、このくらいのサイズだと非常にやり取りもスリリングで、アドレナリン出まくりの至福の時間を味わえました。

ラインブレイクのリスクがありますので、道糸とハリスの状態(キズ、ササクレなど)をこまめにチェックし、少しでも瑕疵があった場合はその部分(とその周辺)を惜しげもなく切り捨て、仕掛けを都度組み見直し、いつも良好な状態の道糸、ハリスで釣りを行う必要があります。面倒ではありますが、極細仕掛けでスリリングなファイトを堪能したかったらこの手間を惜しんではいけません。その面倒の先に、とってもエキサイティングで楽しいファイトが待ってますよ!

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