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メジナを釣るために最適な水温とは? シブいメジナを引きずり出すために知っておくべきこととは?

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30cmのメジナ。水深の浅い江ノ島の表磯ではこのくらいは嬉しいサイズ。

地磯フカセ釣りのメインターゲットであるメジナとクロダイは、似たような場所に棲息し、同じ餌、同じ仕掛けで両方釣れるということも少なくありません。しかし、実際はメジナとクロダイの環境耐性は全く異なります。ひとことで言えば、クロダイの方が圧倒的に耐性が高いです。またクロダイは水温のみならず、水質、塩分濃度などの環境順応性も高いため、メジナがいる場所にはクロダイも高確率でいるということができます。

しかし、逆は成立しません。つまり、クロダイがいるからといって、メジナもそこにいるとは限らないのです。これは、クロダイとメジナの生態の違いなので、そうなんだとしか言いようがありません。河口周辺など汽水域にはメジナはいませんし、湾奥の止水域にもメジナはほとんど入ってきません。また、メジナもクロダイも同じ場所で通年釣れる魚ではありますが、適水温域がメジナの方が狭いため、真夏、真冬の活性はクロダイより低くなり、メジナの方が釣りにくいと言われています。

今回は、警戒心が強く、木っ端サイズはともかく、良型を釣るのはクロダイよりも難しいと言われるメジナと水温の関係について、通年コンスタントに釣るために知っておきたいことを考えてみたいと思います。

目次

メジナの生態

メジナは、スズキ目イスズミ科に分類される魚で、東アジアの暖海域に広く分布しています。日本近海においては、北海道南部から東シナ海までの温暖な海域に分布しています。水深50m以下の浅い海域に生息し、潮通しの良い岩礁地帯を主な棲み処としています。

産卵期は地域によって異なりますが、九州以南など温暖な海域では1月~2月頃から、本州では5月~6月頃に行われることが多いでしょう。関東では「梅雨グレ」といって、産卵後の体力回復のために荒食いする、高活性で良型の個体を狙う釣りが、厳冬期の大物狙いである「寒グレ」釣りと並び人気があります。

地域によって多少の差はあるものの、一般的には孵化後1年で10cm程度、2年~3年で20cm、4年~5年で25cm~30cm程度、6年~8年で40cm程度、10年超で50cm程度まで成長します。水深の浅い地磯では、30cm級~35cmくらいまでが良型と言われるサイズでしょうか。沖磯へ上がればターゲットは当然40cm超の大型メジナとなります。

尚、日本近海には3種類のメジナが棲息しています。簡単に紹介します。

メジナ(クチブトメジナ)

地磯のメインターゲットといえばクチブトメジナ。居着く個体が多く、浅場の地磯でも40cmくらいの個体までなら釣れるチャンスがある。

日本近海に最も普遍的に棲息するメジナです。水深の浅い地磯や波止などで最もみられるメジナです。体高が高く、ずんぐりした印象の個体が多いです。回遊性はそれほど高くなく、居着きの個体が多いようで、地磯で釣るメジナのメインターゲットはこのクチブトメジナです。釣り上げた直後は鮮やかな青色をしていますが、死ぬと真っ黒くなります。

クロメジナ(オナガメジナ)

地磯で釣れるオナガメジナはサイズは小さめ。成長すると回遊性が高くなり、沖磯がメインの釣り場となる。

クチブトメジナよりも沖寄りに棲息しているのがクロメジナで、釣り師の間ではオナガメジナとも呼ばれます。小型のものは地磯にも多数棲息し、クチブトメジナと混じって釣れますが、中型以上の個体は回遊性が高くなり、沖磯から専門に狙うターゲットになります。サイズはクチブトメジナよりも大きくなり、最大で60cm級のモンスターもいます。泳力が高く、引きもクチブトメジナより強いため、クチブトメジナを超える人気ターゲットといえます。オナガメジナは歯が鋭いため、大型狙いの場合はハリスにはワイヤー使います。クチブトメジナより体高が低く、鰓蓋の外縁部が黒く縁取りされている点など、クチブトメジナとの見分けは比較的簡単につきます。

オキナメジナ(ウシグレ)

南方系のメジナであるオキナメジナはクチブトメジナ、オナガメジナと比較しやや小型。関西ではウシグレ、沖縄ではシチューと呼ばれる。

オキナメジナは南方系のメジナで、千葉県以南の太平洋沿岸、九州から台湾にかけて分布するメジナで、沖縄ではメジナといえばオキナメジナがメインターゲットとなっています。小型のメジナで、最大サイズは40cm程度と言われています。関西圏ではウシグレと呼ばれ、南西諸島、沖縄ではシチューと呼ばれています。体の背びれの中間部から尻びれにかけて、一本横縞が入っているのが特徴です。メジナ類の中では最も藻食性が強く、通年藻類を中心に食べています。引き味、食味はクチブトメジナ、オナガメジナに軍配が上がります。

水温別メジナの攻略法

真冬の江ノ島表磯の夜明け

メジナは臆病な魚で、適水温の範囲も他の磯フカセ釣りの対象魚と比較しても狭いと言われています。具体的にはメジナ釣りの適水温は16℃~24℃程度と言われています。最も活性が高くなる水温は18℃~23℃程度と言われており、25℃を超えるとフグなどのエサ取りの活性が高くなり、コマセワークを工夫してエサ取りと本命を分断しないと釣りづらくなり、15℃を下回ると活性が徐々に下がり、深場や隠れ家に落ち、体力の消耗を抑えるため、あまり泳ぎ回らなくなってしまいます。ただし、エサ取りの活性も下がる厳冬期には、大物を仕留められる可能性があります。

この項では、水温別のメジナの狙い方について解説いたします。

夏の高水温時(水温25℃以上)

真夏の雲、積乱雲が急速に発達し、数時間後に激しい雷雨になることがある。

水温が25℃を超える真夏のメジナ釣りは、「エサ取りとの闘い」に終始させられる、非常に過酷な釣りを強いられます。メジナも10cm台のいわゆる木っ端サイズの活性が非常に高く、フグやウリ坊(イサキの幼魚)、小サバの大群などに混じっています。

これらの活性が高いエサ取りはほぼ表層付近のレンジに溜まっています。特に刺し餌にオキアミを使っているときなどは、仕掛けが着水した瞬間に刺し餌をひったくられてしまい、釣りにならないでしょう。良型サイズはその集団の下にいて、エサ取りのレンジをクリヤーして沈んでくる餌を待っているか、少しでも水温が低いエリアに避難している可能性があります。そのため、以下の対策を試みます。

コマセを打ち分け、エサ取りと本命を分断する

コマセバッカンに餌バッカン、柄杓ホルダー、ロッドホルダーを取り付けた状態。

過去拙記事「夏のフカセ釣りは、エサ盗りを制す者が本命を制す、エサ盗り回避の知恵とポイントを紹介!」に詳細を書いているのでここでは詳細は割愛しますが、「本命用のコマセ」と「エサ取りを足止めするためのコマセ」を打ち分け、本命とエサ取りを分断します。基本は足下にエサ取り用コマセを、遠い場所に本命用コマセを打ちます。

仕掛けをわずかに重くして、エサ取りがいる層を素早くクリヤーする

コマセに群がるエサ盗り

メジナの活性が高いときは、仕掛けをなるべく軽くして、ハリスにガン玉も打たず、コマセの中に含まれるオキアミの粒を同じスピードで刺し餌をゆっくり沈ませ、コマセと刺し餌の同調を図りますが、エサ取りがひどくて釣りにならない時は敢えてガン玉を打ち、刺し餌の沈降スピードを早めます。エサ取りのいるレンジを素早くクリヤーし。その下にいるメジナに口を使わせるべく、僅かに仕掛けを重くします。

刺し餌を変えてみる

活性が高い堤防であれば、コマセを撒かずに、人工イソメにオキアミの成分を練り込んだオキアミワームを使うのもアリだ。

オキアミの生を使っている場合はボイルに変えてみたり、むき身に変えてみたりすると良い結果が得られることがあります。また、スーパーなどで売っているむきエビを使うのは非常に効果的です。針のサイズに合わせた小型のむきエビを用意したり、練り餌やワームなどの人工餌を使うのもエサ取り対策には有効です。

潮通しの良い場所の沖目を狙う

江ノ島表磯・水道口先端から南望。

高水温時のメジナは潮通しのよい場所に移動している可能性が高いです。潮通しの良い場所は、酸素濃度が相対的に高く、メジナにとって過ごしやすい環境であると言えます。そのため、外洋に面した磯の先端など、潮通しの良い場所で、普段はあまり狙わない沖目を攻略してみると良いでしょう。

狭い場所にできるサラシの周辺を直撃する

満潮時に水没し、干潮時は潮溜まりになるタイドプールも地磯穴釣りの絶好ポイント

先ほど、潮通しの良い沖目を狙うと良いと書きましたが、沖目も芳しくないようでしたら、大胆に足元の狭いスリット部を狙ってみましょう。絶え間なく波がぶつかり、サラシができていれば酸素濃度も高く、良型のメジナが隠れている可能性が高いです。根掛かりのリスクが非常に高いので、仕掛けのコントロールがしやすいよう、ガン玉を段打ちするなどして安定を図りましょう。こういう場所を狙う場合は潮位が高い時の方が釣りやすいでしょう。

冬の低水温時(水温15℃以下)

赤外線式水温計は、水に触れることなく水温を計ることができる優れモノ。釣り師はすべからく一本持っていたい。

メジナは水温15℃を下回ると活性が落ちはじめ、12℃を下回るとほぼ泳がなくなると言われています(活動限界)。浅場での釣りは難しくなりますが、エサ取りの活性も下がっていて、さらに釣り師の絶対数も春の乗っ込みや秋のハイシーズンよりも少ないため、寒いことさえ苦にならなければ、厳冬期は一発大物を狙えるシーズンであります。しかし、活性が下がったメジナに口を使わせるのは非常に難儀します。

そんな、低水温時の寒グレを攻略する際に意識したいポイントについて記載します。

基本はドン深狙い

高活性のメジナは、上からゆっくりと沈んでくるエサを、下から高速で浮き上がって来て、捕食して一気に元いた場所まで潜って行くという行動をとりますが、低水温時ではエサを見つけても泳いで捕食に行くような行動はとりません。体力の無駄な消費を極力抑えるため、縦横無尽に泳ぎ回ることはありません。

深場の藻場や岩礁の入り組んだような場所でじっとしていることが多く、鼻先を餌となるものが通れば捕食します。そのため、セッティングは最初からボトムを探れる設定でいいと思います。水深がおおよそ分かっていて、普段ウキ下を2ヒロくらいでスタートしている場合であれば、ウキ下を竿1本~4ヒロ程度から始めてみてください。水深があるポイントであれば、ウキ下の初期設定は竿二本(10m程度)くらいまで深めにしても良いでしょう、そして、足元付近も丹念に探りましょう。仕掛けが十分馴染むまでラインを指先で摘みながらコントロールし、ラインに伝わる小さなアタリを感じ取ります。厳寒期はチャンスは多くありませんので、全神経を集中させ、確実に捉えましょう。

数回流してもアタリがなく、餌も丸々残っている場合はウキ下が浅すぎる可能性がありますので、徐々にウキ下を深くして様子を見ます(調整ピッチは30cm~50cm程度)。アタリがないにもかかわらず、餌が盗られている場合はメジナの可能性が高いです。この時はウキ下を徐々に浅く調整して、アタリが出るレンジを探りましょう。

刺し餌を現地採集のノリにする

メジナは冬季、食性が変わります。普段はオキアミや小さなカニなど、甲殻類で釣りますが、真冬は藻食性が強くなります(オキアミを食わなくなるわけではありませんが、嗜好性は下がります)。ハバノリやアオサなど、岩に着生しているノリを集め、細かく砕いたものはコマセに加えてよく混ぜ、針には小さく畳んだノリを刺し、岩のキワを流すとじっとしているメジナが食いついてきます。このノリ餌を使うと、ブダイやタカノハダイなど、藻食性の強いゲストも釣れます。

全遊動仕掛けも有効

低活性のメジナは警戒心が強く、刺し餌の挙動の違和感を察知すると見切られることが多くなります。あの手この手を尽くしても全くアタリが出ない場合は、仕掛けを見切られている可能性があります。そんな時は、道糸、ハリスの号数を一段階落とし、ウキ止め、ガン玉を外した超軽量全遊動仕掛けをやってみるのも有効です。針、刺し餌、ハリスの重量だけで仕掛けをターゲットの鼻先まで持って行く必要があるため、コントロールは大変難しいですが、ラインを手で支えながら送り出し、ラインスラックをこまめに回収しながらゆっくり沈めて行きます。

オーバーハングを探せ

オーバーハングとは、水面に向かって岩がせり出している場所で、足元の下が手前にえぐれている地形になっている場所のことをいいます。オーバーハングの下は日光が遮られて影ができ、魚が身を隠しやすかったり、餌となるプランクトンや小魚などもたまりやすいため、厳寒期の狙い目として良いポイントになります。

ただし、オーバーハング部は、ヒット後に魚がオーバーハングの内側に向かって走る傾向が強いため、根ズレには細心の注意を払わないとラインブレイクの危険があります。取り回しは難しくなることを覚悟してください。

ハイシーズン(水温17℃~23℃程度)

産卵後の体力回復期の荒食いを狙う「梅雨グレ」と呼ばれる、6月頃の適水温期は、数・サイズとも安定した釣果が期待できる時期です。ここ数年は海水温及び気温の上昇が著しく、ハイシーズンとは言えなくなりつつありますが、厳冬期の寒グレ釣りはどちかというと上級者向けなのに対し、梅雨グレ釣りは初心者でも釣りやすいことは間違いありません。基本の攻略法を覚えて、とにかく釣行回数をこなし、少しづつ腕を上げて行きましょう。

ウキ下は2ヒロ程度からスタート

この時期は、オーソドックスな攻略法でスタートしましょう。現場に着いたらコマセを撒いてみて、コマセの流れる方向とスピードはどうか、沈降スピードはどうか、水は澄んでいるか、濁っているか、魚は寄っているか、ベイトフィッシュは何かなど、考えうる限りの情報を読み取り、頭に入れます。すると、潮がどの方向から流れてきて、どこへ流れて行くかが分かります。潮の流れを掴むことができれば、コマセをどこに打って、何秒後にどのポイントで刺し餌を食わせるかをシミュレートできます。

活性が高い日は、メジナを浮かせて食わせたいので、ウキ下は2ヒロ程度からスタートしましょう。水が澄んでいて海中が見えるようであればコマセを多めに撒いて濁りを作ったり、サラシのキワに仕掛けを投入してみたり、少しでもメジナの警戒心が緩むポイントを探して攻略しましょう。前日荒れたりして、水が濁っているときは、できる限り浮かせて刺し餌を食わせるべく、ウキ下を1ヒロ(約150cm)~矢引き(約90cm)程度まで上げてみても良いでしょう。エサ取りが多いようであれば、コマセの打ち分けによる分断や、刺し餌のチェンジなどで対策を図りましょう。

メジナは環境変化に敏感な魚、釣り師の引き出しの多さが決め手となる!

いかがでしたでしょうか? メジナはどこにでもいて、20cm程度のサイズまでであれば比較的簡単に釣れる魚ではありますが、30cmを超えるような良型は簡単には釣れません。臆病で環境変化に弱い魚ですので、天気の急変やすぐに活性が下がってしまいます。そんな時、低活性になったターゲットに再び口を使わせるためには、手を変え品を変え、打開策をあれこれ試すことが重要です。釣り師の引き出しの多寡が試されるターゲットがメジナなのです!

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