これまでフロロカーボンラインやナイロンラインを主体としてきたバス釣りのスピニングタックルですが、ここ近年peラインが多用されていることをご存知でしょうか?peラインの利点や使いどころを把握することによってスピニングタックルでは躊躇していたようなポイントやルアーがより使いやすくなるのです。一体どんなメリットがあるのか?どんなスタイルの釣りにアジャストしてくれるのか?そんな疑問を持っている方はぜひ今回の記事をご覧ください!
peラインをバス釣りに使うメリット・デメリットから結び方、おすすめpeラインまで徹底的に解説してきます。
peラインとは?

PEラインは極小の原糸数本を編み込んで1本の糸とし作られる少し特殊なラインのことを指します。主にソルトウォーターで使われてきたラインですが、現在はバス釣りや渓流釣りでも使われ始めており、ナイロンラインやフロロラインのようにメジャーなラインになりつつあると言えるでしょう。
PEラインは伸縮率が低いため感度が非常に良く、強度もナイロンラインの約2.5倍と高強度であることが分かります。しかし繊維を組み合わせて作られているため耐摩耗性が低いという弱点も存在するのです。
peラインの編み込み本数とは?バス釣り用スピニングは何本編みがベスト?
またpeラインの特徴として編み込み本数の選択が存在します。一般的には4本編み、8本編み、12本編みの3種類で、編み込み本数が多くなるほど表面の凹凸が少なく、ガイドでのラインの摩擦が低下するため飛距離の向上や糸鳴りの軽減などの利点が表れてきます。逆に編み込み本数が少ないと原糸が太くなるため、根ズレに強くなる傾向にあるのです。
バス釣りのスピニングスタイルでは小さなルアーを繊細に扱うことが多く、飛距離も意識する必要があるため、8本編み・12本編みのpeラインを選んでいただくのが良いでしょう。

バス釣り用スピニングにpeラインを使うメリット・デメリット

メリット
カバー周りでも安心して攻められる
peラインは細くても高強度であることが特徴で、カバーから魚を引っ張り出すパワフルな釣りにも長けています。俗に言うパワーフィネスと呼ばれるスタイルですね。しかしその場合は必ず太めのリーダーを付けなければなりません。peラインは根ズレに弱いため、直結するとカバー付近でのラインブレイクの原因になってしまうのです。
バスのアタリが取りやすい
peラインはフロロ、ナイロンを比べて圧倒的にライン自体の伸びが少ないためバスのアタリがダイレクトに伝わってきます。また、目感度の視点からもライン自体にカラーが付いているためラインの動きが分かりやすく、瞬時に変化を読み取ることができるでしょう。
飛距離の向上
スピニングタックルにpeラインをセッティングして一番感動したことはやはり飛距離ですね。peラインはフロロやナイロンと同様の強度でも、より細くすることができるため必然的に飛距離が向上します。これまでスピニングタックルでストレスを感じていた超軽量ルアーなどもより快適に扱うことが可能になるでしょう。
デメリット
風に弱い
peラインは比重が軽く、風に流されやすいラインだと言えます。そのため爆風時は非常に使いづらく、感度・フッキング性能ともに低下してしまうことを覚えておきましょう。
ライントラブルの多さ
ナイロンラインやフロロラインと同じ感覚でpeラインを扱ってしまうと多くの方がライントラブルの多さに驚くことでしょう。peラインはコシが少なく、風に煽られやすいため他のラインよりも扱いに気を使わなければいけません。スピニングタックルであってもサミングを欠かさず行い、しっかりテンションを掛けて巻くことがトラブルを減らす対策になります。
peラインでのスピニングゲームは大きく分けて2種類

パワーフィネス
パワーフィネスとは太いpeラインを用いてスピニングタックルでカバーを攻めていくスタイルのことを指します。これまでのスピニングタックルでは躊躇していたようなカバー撃ちや吊し釣りも安心して行えるようになるのです。また重めのハードプラグもスピニングタックルで扱えてしまう汎用性の高さも魅力で、マイタックルに1本入れておくとかなり使用頻度が高くなることでしょう!
タックルセッティング
パワーフィネスはタックルセッティングも非常に重要になってきます。濃いカバーであってもバスと負けずに駆け引きができるパワフルさが大前提となるためロッドはML~MHほどのパワーが必要だと言えるでしょう。パワーフィネス専用機として使っていきたいのであればM,MHクラス、パワーフィネス以外でも使う予定があればMLクラスを選んでいただくのがベストです!
スピニングリールに関してはバスを即座にカバーから引き離すことを考えてハイギア以上のモデルを選んでいただくのが良いでしょう。また番手はある程度パワーのある2500番以上をおすすめします!
peラインとリーダーの選定
パワーフィネスではpeラインの1.5~2号を基準に選びましょう!また、リーダーは10~16lbをカバーの濃さに合わせて選んでみてください。
ライトバーサタイル
スピニングタックルであっても軽量ルアーはなかなか飛距離が出ないと悩みを抱えている方もいるでしょう。極小ミノーや虫系ワーム、ノーシンカーリグなどは釣れるけど飛距離が出しにくいという懸念点がありますよね。そんな時にもpeラインの出番です!極小のpeラインを使ったライトバーサタイルな使い方も非常に有効となります。
タックルセッティング
peラインを使ったライトバーサタイルな使い方では皆さんの投げるウエイトによってロッドを選んでいただくのがベストです。
peライン0.2~0.4号では気を抜いているとプッツと切れてしまうほど繊細なセッティングとなるためULクラスのロッドに2000番,2500番ほどのリールを付けてあげるのがベターです。
peライン0.6~0.8号ではそこまで気を使わず遠投からフィネスなど幅広く取り扱うことができるため、ロッドはLクラスがベストだと言えるでしょう。リールに関しては上記と同様に2000番,2500番を選んでいただければ快適にpeスピニングを楽しめます。
peラインとリーダーの選定
超軽量ルアーを扱う場合にはpeライン0.2~0.4号にリーダーをフロロの3~4lbで見積もってセッティングしてみましょう。
ライトバーサタイルに使う場合はpeライン0.6~0.8号にリーダーをフロロの5~8lbと見積もって合わせるのがベストです!
簡単かつ高強度!バス釣りでオススメなpeラインとリーダーの結び方
peラインとリーダーを結ぶノットは多く存在しますが、どれも時間がかかって難しいことが多いですよね。このノットを組む作業が嫌でpeラインに手を出さない方も多いのではないでしょうか?今回はそんな方のために簡単かつ高強度な「10秒ノット」と呼ばれる結び方をご紹介します。
バス釣りではルアー・ワームのローテーションや根掛かりが多いですが、そんな時にもパッと結び直せるためバス釣りアングラーの方にこそおすすめなノットです!!
- リーダー側に輪を作ります。(リーダーは60~90cmを目安に取りましょう)
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- peライン側で3本のラインを巻き込んでいきます。大体10回を目安に巻き込みましょう。
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- 巻き込み終わったら、最初に作ったリーダー側の輪にpeラインの先端側を通します。
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- ラインを少し湿らせて両端から出た計4本のラインをまとめてゆっくり閉めこみます。
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バス釣り用スピニングタックルにおすすめなpeラインとリーダーをご紹介

peライン
【シマノ】ピットブル
原糸の生産・加工を全て日本で行っているピットブルは繊細はライトリグから大物を狙うパワーフィネスまで幅広く対応することができるpeラインとなっています。国産のPEラインであることからお高いのでは?という声が上がりそうですが原糸や製法に新たな技術を採用することでかなりコストを抑えており、peライン初心者の方から使い慣れている方まで誰にでもアジャストしてくれるでしょう。
繊維が細く、質感も滑らかなので表面抵抗が少なく、ガイドの細いバス釣り用スピニングタックルでも飛距離が出しやすい構造になっています。
【ダイワ】UVF モアザンセンサー12ブレイドEX+Si
ピットブルとは対象にかなり高価なpeラインになります。一度使うともう他のpeラインに戻れない!と言えるほど「強度・感度・飛距離」の3つが高レベルです。また、一度買ってしまえば、かなり長期間使ってもへこたれないpeラインなのでそれを考えると案外コスパが高いかもしれませんね。
それでも高くて手が出せないという方は8本編みの8ブレイドを買ってみるのも良いでしょう。使用頻度の高い0.6~1.2号が2,800円以内で買えてしまうので、皆さんのお財布状況に応じて検討してみてください!
【ダイワ】UVFタトゥーラセンター8+Si2
強度・感度・耐摩耗性の3つにすぐれたパワーフィネスにベストマッチするPEラインです。ライン表面にシリコン加工が施されており、カバー付近でのラインブレイクを軽減してくれます。また、視認性が良いカラーを使うことで、アタリが取りにくい撃ちの釣りでもラインの変化を瞬時に感じてフッキングに繋げることができるでしょう。
リーダー
【ヤマトヨテグス】フロロショックリーダー
0.6~22号まで幅広い太さが揃っているヤマトヨテグスのリーダーは耐摩耗性に大変優れています。そのためカバー際でも安心して使いたい方には最もおすすめのリーダーです!
【Wata Champ】フロロカーボンリーダー
高い耐摩耗性や強度はもちろんですが結び目強度にも定評があり、アワセ切れを未然に防ぐことができます。また水の透明感に近い透明度にすることで水中で高いステルス効果を発揮してくれるでしょう。ラインがあることによって見切ってくるようなタフなバスを釣り上げるためにも違和感を消せるのは大きなメリットになるのです。
【シーガー】R18 フロロリミテッド
バス釣りで使うフロロラインとして大活躍してくれるフロロリミテッドですが、peスピニングのリーダーとしても優秀です。しなやかで強度も十分なので、もし家にR18があるのであればぜひリーダー代わりに使ってみてください!
バス釣りにおいてpeラインのスピニングスタイルは多くの利点あり!

今回はバス釣りのスピニングタックルにpeラインを組み合わせたセッティングについて解説していきました。バス釣りのpeスピニングスタイルでは「感度・強度・飛距離」がより洗練され、これまででは取れなかったバスをしっかり攻略していくことができるでしょう。
もちろんpeラインにはデメリットも存在しますが、それ以上にメリットが多いことも事実です。ぜひ皆さんもpeラインを主体としたスピニングタックルの釣りを試してみてはいかがでしょうか?
